(3)滑川の小字地名
- 1.足房
- タラは、垂れるでなだらかな斜面を意味する地。
- 2.諏訪
- 昔、諏訪神社があったといわれる。諏訪神社は、現在塩釜神社内に祀られている。
- 3.台
- 段丘上の平坦地を意味する地。
- 4.高郷
- 郷は岩のゴツゴツした崖地の意味で、北川上流の渓谷沿いの高い崖地をいうと思われる。
- 5.滝沢
- 男滝・女滝の二段の滝が流れているところ。
- 6.滝ノ作
- 滝の下流に二つの池がつくられた地域の地名。
- 7.太郎坂
- 八幡太郎義家がこの坂を登って東北へ行ったとか。タローはタラの転語で垂れるで、なだらかな坂の地名。
- 8.荒屋 /dt>
- アラヤは漢字で荒野。昔はそのような地であったか。
- 9.10.11.南田、中田中、北田中
- 広い田を三つの地に分けた地名。
- 12.釈迦原
- 昔、釈迦堂があったといわれる。
- 13.14.上田沢、下田沢
- 台地や山の間に田のある地域をいう。
- 15.渡志前
- 文字通りの地名。
- 16.曲松
- 曲がりくねった松が多かったという地名。
- 17.後久保
- クボは窪地で周囲より低いところ。
- 18.モガキ平
- モは接頭語。カキは崖、急斜面のあるところ。
- 19.風越
- 風はカセで、古語ではヤセ地の意味で、この辺りは赤土。
- 20.宿並
- 昔の道路沿いの人家が続いたところ。
- 21.22.東ノ台・東内
- 宿並から東の地にあるという地名。
- 23.井の尻
- 井は川、尻は後または平らの意。なだらかな川沿いの地を意味すると思われる。
- 24.石田
- 北川の氾濫でできた砂利田の地を意味すると思われる。
- 25.舞台
- 舞台のような平らな台地の意味。
- 26.六所平
- 塩釜神社内に祀られている六神(六所明神)から、六所平といわれていると思われる。
- 27.森下
- 神社の森の下側の地。
- 28.蔵前
- 昔は蔵があったので蔵前となったとする説と、クラは「刳」で古代地名語では、崖地を意味したとする説もある。
- 29.波の平
- 波は並みで、局部的な平坦地を意味すると思われる。
- 30.31.32.所沢、上所沢、下所沢
- 所は小高い地、沢は湿地の意味。
- 33.34.35.南・北・東オボ内
- アイヌ語説もあるが誤りか。オボは、オボロ(瀧)で不確な状態や湿地を意味する。またオボはオボトル(蓬)の語幹で叢や藪の覆った地をいうと思われる。
- 36.烏ヶ沢
- カラ(涸)ス(州)の言葉に鳥の文字をあてはめたもの生保内川の涸渇した砂地や砂利地を指すものであろう。
- 37.菖蒲作
- ショーズは清水の湧く意味で、ショーズに菖蒲の文字を当てはめた地名と思われる。
- 38.小幡
- 小畑に小幡の文字をあてはめた地名と思われる。
- 39.清水聖観音堂
- 文字どおり清水の湧く地。
- 40.館
- 館とは海岸(低地)を望んだ丘陵をいう。
- 41.北川
- 北川が海にそそぐ所。
- 42.仲居
- 仲居は仲井。昔天王様のそばに松があり水が湧いていた。
- 43.桜下
- サクラは古語では低地の意でそれに桜の字をあてたか。
- 44.中里
- 里は集落で中は中心を意味する。
- 45.ケロ内
- ケロは狭い平地の意味。
- 46.47.桑木田
- カヌキダのカヌは「刈野」から出た語で焼畑地をいう。またキダは、刻むと関係があり、北川の川岸が階段のように刻まれた崖地をいう。崖地上の焼畑地だったろう。
- 48.向田・向畑
- どの辺から見たかは不明だが、向うの田、向うの畑からできた地名であろう。
- 49.金木場
- 昔、薪などを取る山をカナキ山といっていた。
- 50.脇田
- 湧き水の出る田から低い転じて脇田となったと思われる。
- 51.大田尻
- 尻は先の方の意味。海寄りを指す地名であろう。
- 52.北久保
- クボは窪で周囲より低いところをいう。
- 53.祝崎
- 岩地の崎(先き)から縁起のよい「祝崎」となったと思われる。