(12)小幡阿弥陀堂

 創立はいつ頃かはっきりしないが、言い伝え等から室町中期頃であろうといわれている。お堂の中には、本堂の阿弥陀如来(立像)や観音菩薩(坐像)が祀られているほか、小さな仏像、5躰も併せ祀られている。
 この阿弥陀堂は、通称「イボ神様」といわれ、からだにイボができた人が参拝すると不思議に治ったという。治った人は、そのお礼に大豆を奉納したという。これは、阿弥陀様の頭髪が、イボに似ていることから起った信仰であるように思われる。
 境内には、石碑、石仏が多い。石仏「如意輪観音」は苦を救い、長寿、安産、厄除け等の願いをかなえてくれるという。如意輪観音の石仏に「十九夜」の文字が見られるが、これは、酉年の3月19日、天から降りてきた観音に慈悲で、安産や女人の身体の苦が救われるという念仏講である。
 「愛宕山」と刻まれた石碑もある。(滑川のあちこちに見受けられる石碑)。これは愛宕神社の信仰で、イザナミノミコト、雷神を火伏せ、防火の神として祭っているものである。また、八坂神社の石碑もあるが、これは、京都祇園町の八坂神社の信仰で、スサノオノミコトや牛頭天王を祭っている。

小幡阿弥陀堂

参考資料:『滑川の歴史と景勝』画像を一部転載

←  前へ 次へ  →
Copyright © 2020 滑川学区コミュニティ推進会 All Rights Reserved.